デジタルカメラバックの導入

私のスタジオにやってきた「黒船」は、CreoScitexのデジタルカメラバック
メーカーの新製品の撮影をポジフイルムで撮影してきました。クライアントの方向性がデジタルデーター入稿に移行する過程で、数年間数社のデジタルカメラバックのテストを重ねて、2002年7月にCreoScitexがリリースしたプロフェッショナル向けのデジタルカメラバックを導入。私のスタジオにやってきた「黒船」は、CreoScitexのデジタルカメラバックでした。当時のデジタル化の波は「便利さ」を謳うものでしたが、私が求めたのは効率ではなく、ポジフィルムを凌駕する「質感」でした。この機材の真骨頂は、センサーを1ピクセルずつ動かして撮る「4ショット撮影」にあります。一般的なデジカメが周囲の色から推測して「塗り絵」をするのに対し、こいつは全てのピクセルで生の光を真っ向から受け止めます。その結果はどうでしょう。金属のヒヤリとする光沢、シルクの滑らかな地紋……モニターに映し出される「布の質感」に、現場がどよめいたのを覚えています。厄介なモアレ(虹色のノイズ)とも無縁。デザー撮影必須の「箱入り息子」のような機材ですが、大きな設備に見合うだけの、いや、それ以上の「撮る意欲」を私に与えてくれます。